• ホメオパシーとは

    ホメオパシー (Homoeopathy) をご存じですか?

    日本には大まかに分けて次の3つの薬があります。

    1. 新 薬

    西洋医学で主に用いる人工的に合成された薬。病名や症状を効能に照らして処方を決める。
    病気の原因が特定でき、原因別治療が可能な場合や手術が必要な場合や救急疾患・重症の感染症などに適している。

    2. 民間薬

    主に1種類の薬草や動物生薬や鉱物などを煎じて飲用したり、貼り付けて健康に役立てる薬。
      <例>どくだみ・せんぶりなど。薬局などでアドバイスを受けながら、軽い病気の治療や
         体調が芳しくない状態程度までに適している。

    3. 漢方薬

    主として数種類の薬味からなり、東洋医学理論に基づき、患者の体質と症状を判断し処方決定した薬。 検査をしても異常がないのに自覚症状がある場合に適している- 原因特定ができない慢性疾患・体質改善・生活習慣病・成人病・病気予防など。


    海外で広く用いられているホメオパシーは、日本で言えば2番の民間薬(民間療法で用いられるという共通点で)に一番近いと思われます。 今から200年前にドイツの医師サミュエル・ハーネマンはマラリアに効くというキナの皮を煎じて飲んでみました。 すると一時的に発熱し、悪寒、痛み、脱水症状、脱力感などマラリアと同じような症状になりました。 マラリアにかかっている人にとっては症状を取り去ってくれるものが、健康な人にはマラリア同様の症状を もたらすということを体験したハーネマンは「同種の法則」を見い出し、 その手法をギリシャ語のHomoios=同種、Patheia=病気・苦痛を組み合わせて造語しHomoeopathyと名付けました。 さらに「超微量の法則」を加え、人体に有害な毒物でも、天文学的に希釈し叩くことで毒性が失われるとともに、 心身に深く作用する働きを発見し、穏やかにそして根本的に治癒するホメオパシー(同種療法)を確立しました。
    「健康な人に投与して、ある症状を起こさせるものは、その症状を取り去るものになる。」
      -ホメオパシーとは「同種の法則」を根本原理とする自然療法です。

    ホメオパシーではバイタルフォースという生命エネルギーの流れが、生物に「いのち」を与えると考えています。 さらに病気の根源はこのバイタルフォースの滞りにあると考えます。つまり、その生命本来の「生き方」をしていないことが 病気の原因であると考えます。
    バイタルフォース:非物質的なエネルギーの流れ=自然治癒力・自己治癒力
      病 気とはバイタルフォースの停滞です。
      症 状とはバイタルフォースのバランスの崩れからもたらされる結果です。

    病気は見えませんが、症状は病気が形成される過程もしくは治癒する過程において表面化しますので、見ることができるのです。 ホメオパシーの症状へのアプローチは、病気と同種の非物質的なレメディーの働きにより症状を出し切らせるという方向で行われます。
    症状は病気(病因)を探る大切な道標であり、自然治癒力が働いていることの表れです。 自然治癒力を高め、発揮させるには「気付き」が必要ですが、その「気付き」は同種でなければ与えられません。
    レメディー(ホメオパシーで用いられる一種の薬)とは、バイタルフォースに働きかけ、自然治癒力のスイッチを入れるものです。
    レメディーは、さまざまな鉱物、植物、動物、病原体などをすり潰し、希釈・振とう(薄め・叩く)した液体を小さな砂糖の玉にしみ込ませて作ります。
    病気と最大限に類似するレメディーを摂ることで、病気とレメディーとは共鳴し、病気のパターンが一時的に増幅されます。
    すると病気への気付きとともに、 自然体に戻ろうとする自然治癒力が増し、結果として、治癒の過程が促進されます。

    あくまでもレメディーにできることは、スイッチを入れることだけで、病気を追い出すのは自分自身に備わった自然治癒力=バイタルフォースです。


    ホメオパシーの例

    Coffea(コフィア)というレメディーはコーヒー豆から作られます。 コーヒー豆は眠気を払い、神経を興奮させる作用を持ちますが、レメディーのコフィアに適合する症状は、興奮、感覚過敏、不眠、痛みです。特に喜びによって神経が興奮して眠れないときに自然な眠りをもたらしてくれます。 通常、興奮して眠れないときは、精神を安定させる化学物質が使用されますが、ホメオパシーでは逆に、神経を興奮させるコーヒー豆を何度も希釈したレメディーを与えるのです。 レメディーの刺激により、体が神経のバランスを欠いていることに気づき、本来の姿を取り戻そうと自然治癒力が働くことによって、神経の興奮が鎮まり、自然に眠くなるのです。
     ・イライラして眠れない場合:Nux-vomica(ナックスボミカ)
     ・恐怖心から眠れない場合:Aconite(アコナイト)
    以上のようにそれぞれの不眠の原因に適したレメディーを選ぶ必要があります。 ホメオパシーでは、不眠に対しては不眠を引き起こすもの、熱には熱を生じさせるもの、つまり同種のもので自然治癒力に働きかけます。自然治癒力を発揮することで、病因を自分の力で押し出し健康を取り戻すことができます。

  • 物質を希釈・振とうすると、物質の毒性が失われると同時に、心身に深く作用する働きを得ます。 その希釈・振とうの程度をポテンシーと呼びます。 英国の家庭で用いられているレメディーのポテンシーは6C~30Cです。 Cとはラテン語で100を意味するCenturiaの頭文字で、100倍希釈法を意味します。(30Cとは100倍希釈法を30回行った=10の60倍乗希釈)
    ポテンシーを高めれば高めるほど、レメディーは肉体レベルから、心や感情のレベルに作用していくことが経験的に知られています。
    それには希釈だけではなく、振とうすることが必要です。
    希釈・振とうすることを英語でポーテンタイゼーションといいます。物質をポーテンタイゼーションしてレメディー化する理由は、 病気はポテンシャルが高いので、それに働きかけるためにはレメディーもポテンシャルを高くしなければならないからです。
    アロパシーは「Allo」=違う、「patheia」=病気を組み合わせた言葉で、「病気と違う」という意味です。
    これは内部に不自然さを持ったまま、バイタルフォースのバランスを取る方法=新薬を用い症状と戦い抑え込もうとする方法です。 逆療法と訳されています。
    症状を鎮圧してくれるアロパシーは、急性の、命に関わる症状を鎮めるためには必要ですが、頼りすぎると病気の原因を外部に探して、
    それらを駆逐することで問題が解決されると考えるようになってしまいます。
    病気の原因は自分の内部にあることを知り、症状が出ることによって不自然さに気づき、
    それを押し出すことで自然体に戻そうと考えるようにして下さい。
    必要以上にアロパシーで症状を抑え込んでしまうと、内部に抱える不自然さに気づけなくなってしまいます。
    症状を抑圧することは、体内の毒を体外へ排出する経路を塞ぎ、体内浄化システムを破壊することです。
    症状を抑圧し続けることで、不自然さを抱えたままの状態でバイタルフォースがバランスを保ち、
    いずれそれが当たり前となることを「マヤズム」と表現します。

    何世代か経て一旦マヤズム化すると、その不自然なパターンを吐き出すのはほとんど不可能です。
    免疫とは肉体レベルでの自己と非自己を認識するシステムのことです。
    抗体は自己認識の物理現象のひとつです。
    バイタルフォースは、非自己の形成とともに滞り、気づきによる非自己の解放とともに流れ出します。
    予防接種をすると、この自己認識が不完全なかたちで行われ、何が正しくて何が正しくないのかがわからなくなってしまう可能性が出てくるのです。 もともと病気にかかる先天的な原因(非自己)を持っているのに、小児病にかかることができないとしたら、浄化する時期を逸し、 その悪影響が十数年後に表れたり、マヤズム化する原因になってしまいます。
    本当の治療とは、症状を抑圧するのではなく、病気というバイタルフォースの滞りを解くことです。
    バイタルフォースとは、生命エネルギーの流れです。
    不自然なパターン、自然の流れに沿っていない自己(=こだわり)は生命エネルギーの流れを妨げます。
    人は、悲しみや恨み、嫉妬といったこだわりを持ちますが、これらが本来の生命エネルギーを停滞させます。
    「まぁいいか、済んだことだ。今日も一日生きられた。」
    と、気持ちをどんどん流していくことで、バイタルフォースを自然な流れに戻すことができます。
    こだわりは自分たちが意識できないものや、体に染み付いているものもありまので、細胞レベルでの気づきを得るためには、
    意識できる心の領域よりもっと深い所に作用するレメディーが必要になってきます。
    ホメオパスの仕事はレメディーというエネルギーの媒体を使って、その人の中にあるこだわりに気づかせることです。 あくまでも気づくのは本人で、自分の心と体が気づき、そして自分が治すのです。

    ホメオパシーでは<病気を患っている本人以外に、病気を治せる者はいない>
    という事を理解して、いかにしてその人本来の「治ろうとする力=自然治癒力」を引き出すか、という発想が出発点であると考えています。
    マテリア・メディカとは薬効書のことです。
    ホメオパシーのマテリア・メディカには、各レメディーをプルービングして得られた精神的特徴、肉体的症状、 基調(悪化および好転する原因や要因)、作用する期間や組織などが詳細に書かれています。
    レパートリーとは、実際の患者の症状から最適なレメディーを見つけるための事典です。
    ホメオパスが一番効率よく最適レメディーを見つけるには、患者の症状に基づいて、レパートリーからある程度レメディーを絞り込み、
    マテリア・メディカで確認するという方法です。
    マテリア・メディカとレパートリーは、最適のレメディーを選択する際に、相互に補完しあうのもです。
    健康な人にレメディーを投じて、その結果生じる症状のことをプルービング(実証)といいます。
    レメディーがどんな力を秘めているかを探るためには、「どんな症状を惹起できるか」を調べなければなりません。
    レメディーの波紋を正確に症状として現すには、波のない、静寂な水面を持つ健康な人で調べる必要があります。 レメディーに対して非常に敏感な人や、レメディーを摂りすぎた場合、ときにプルービングしてしまうことがありますが、一過性のものなので、レメディーをやめれば症状は消えますから心配いりません。

  • ホメオパシーにはクラシカルホメオパシーとプラクティカルホメオパシーがあります。

    1.クラシカルホメオパシー

    <特徴>
      ・1回に1種類だけのレメディーを処方する
      ・1種類のレメディーをリピートしない
      ・ポテンシーの高いレメディーを用いる
    現代医学に対して懐疑的で、高踏的な姿勢で臨む傾向がある現代医学の医師免許を持たないホメオパスがほとんどで哲学的・思弁的な傾向が強い

    2.プラクティカルホメオパシー

    フランス・ドイツ派とイギリス派のまったく異なる2つの流派があります。
    <フランス・ドイツ派>
      医師が民間療法者としてのホメオパスからホメオパシーを学び、やがて医師の理論に立 脚したホメオパシーが確立されました。
      低希釈倍率のレメディーを多数混合した、病名に 対応する処方箋を作り上げました。医師としても診療するため、新薬と併用します。
    <イギリス派>
      さまざまな希釈倍率のレメディーを適用。コンビネーションレメディー(いくつかのレメディーを混合したもの)も適用し、
      必要に応 じてレメディーをリピートしていく方法をとっています。医師と医師でないホメオパスが混在している。

    根本レメディーとは、子供が生まれ持ったその特性と一致するレメディーです。 根本体質とは、基本的な特性(体型、肌の色、髪や目の色など)や性格、食物への欲求と嫌悪、気温や気候などに関連する一般的な基調として表れます。 子供の根本体質がわかっていれば、多くの症状に根本レメディーで対応できます。(本来作用するレメディーが作用しないとき、子供にだけは根本体質のレメディーを使います。) 根本体質は、体型とも密接に関係していて、外観や出生体重から根本レメディーを探ることもできます。


    Clac-carb
    (カルカーブ/牡蠣の殻タイプ
    Sulphur
    (ソーファ/硫黄)タイプ
    Siluca
    (シリカ/水晶)タイプ
    Phosphorus
    (フォスフォラス/燐)タイプ
    テーマ 脂肪 着実性 恐怖 好奇心 知恵 皮膚 楽観 栄養 骨 髪 反抗 知識 骨 細胞 コミュニケーション
    出生体重 3,500g以上 未熟児あるいは2,300g未満 出生時にトラブルや問題があった子供 普通か少し大きめ(縦に細長くのびる)
    体 型 色白(石灰のように白い)でブヨブヨと太っている ぽっちゃり型(横にまるくのびる)で汗っかき 酸っぱいにおいがするかえるの手(水かき様の膜がある)  がっちりしている 前屈みになって歩く 黄色っぽいざらざらした皮膚 頭ばかり大きくて手や足は痩せこけている(ガラスのよう) 品があって細身で長身
    気候など 寒さに敏感
    性 格 マイペースを好む 几帳面で慎重 安定を好む まじめ 恐がり のろま 恥ずかしがり  天真爛漫で子供らしい 壮大なものに興味を持つ 自信過剰 リーダーシップ実行タイプ 外向的で騒がしい 好奇心旺盛だが、自己中心的  自分の興味がないものには見向きもしない 繊細さに欠けだらしなく(片付けができない)、怠け者  怖がるものはほとんどないが、高い所が苦手 楽天家 ほめて欲しい  小心者 臆病 力を使うことを嫌う エネルギーを使いたくない 怒り 人見知り 場の空気が読め、親の手がかからない 健康で透明感のある肌 長いまつげ 自発的 好奇心旺盛 冗談好きで好感を持たれる 陽気 オシャレ(カラフルな色を好む)暖かく、思いやりがある 慈愛に満ちている  仲間を愛し、また仲間からも愛される 想像力が豊か
    体質・特徴 便秘(1日おきか2~3日に1回)-便秘をしていると調子が良い  吸収率が悪いので栄養を蓄える アデノイドになりやすい 湿った靴下をはいているような足 寒さを感じず、夜、足が熱くなるため布団から出して寝る 午前11時ごろから元気がなくなる 喉の渇きを訴える 宝物と称してゴミを貯める  虚弱児 怪我をすると化膿する 汗っかき 寝汗をかく おなかがすくとぐったり眠ってしまう 鼻血を出す オシャレ(カラフルな色を好む)  くまちゃんなど可愛いものを好む
    否定的影響 プレッシャー 急かされること 他人からの干渉 他人からの無関心 孤独 人と自分の境界線がない
    反動的感情 癇癪や頑固さ 神経質 反抗的 経質 過敏症
    好きなもの でんぷん質 半熟卵 甘いものや味の濃い食物 熱いお風呂に長時間浸かる 温かい飲み物を飲む 喉が渇きやすく冷たい飲み物をたくさん摂る 香辛料が効いたものや塩辛いもの アイスクリーム
    嫌いなもの 肉 牛乳 入浴や体を洗われること 先の尖ったもの 脂っこいもの 消化しにくいもの(母乳でさえ全部吐いてしまうことがある) 温かい食物


    治癒の法則

    ホメオパシーの治癒の方向性は、ハーネマンの弟子のコンスタンティングヘリングが確立しました。

    ①重要な器官からより重要でない器官へ
      例)肝臓の痛みはなくなったが、痰がでる、あるいは目やにがです。
        膀胱炎だったのが、中耳炎になる。
    ②体内から体外へ
      例)腎臓の機能が悪かったが、皮膚が痒くなった。
        カンジダでThuja/Pulsを飲んだら、臭い汗やおりものがでる。
        体外への排出:膿・汗・下痢・鼻水・涙等
    ③心から体へ
      例)ストレスでイライラしていたが、皮膚が痒くなった。
        暴力を受けてトラウマになっていたが、怒りが吹き出して、下痢になった。
    ④上から下へ
     体の中心から外側へ(体の先端へ)
      例)顔や首にあったアトピーが手足に移行している。
        髪の毛を調べるとAl(アルミニウム)が含まれている。
    ⑤逆順序の法則
     以前かかっていた病気が急性で戻ってくる。(長くても1週間程度)
      例)過去に抗生物質で治療した膀胱炎が戻ってきた。
        子供の頃に打撲した時の痛みが戻ってきた。

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